2007.3.26
百聞は、一見に如かず
私は、若い頃、生活感の無い、生活臭のしないカッコいいインテリアが、好きでした。いわゆる「アーバンデザイン」にあこがれるところがありましたが、それは、非日常的な空間であって、店舗設計のようなインテリアで、実際に生活する住宅や室内には、似合わないということを住宅設計をしていく中で、私自身は、感じました。
個人差、年齢差は、ありますが、最近の私は、お客様へ「カッコイイ」というより、「ゆっくりする」「安心する」「ほっとする」空間を提供していきたいと思っています。それは、心身ともにリラックスする体を癒してくれる住まいであり、また、子供には、健全な成長をサポートするところ、ご老人には、体に優しい、安心できるところでなければならないと思っています。
昨日、来月工事をするお客様ですが、奥様と89歳のお母様のお二人を以前施工したお客様のお宅へ、お伺いし、見学をさせていただきました。
当初、弊社の提案するリフォームを写真やお話、あるいは、テレビで見ているだけで、実際には、ご体感されておりませんでしたので、信用はしているものの、自分の目で本物を見てみたいということで、お連れすることになりました。
驚いたのは、弊社の施工したリフォームのお宅を見たいと言い出したのは、実は、若い奥様の方ではなく、89歳のおばあちゃんでした。しかし、現場に到着し、その室内に入った瞬間、おばあちゃんの顔の表情が変わり、「素晴らしい、驚いた、すごい、震えてきた~」の連呼で、こんな喜びの声を(まだ、工事を着工していませんが・・・)聞くとは、私自身もあっけにとられてしまいました。
本物の素材の良さ、明るさ、気持ち良さ、すべてが整っていなければ、感動は生まれないと思います。そこに住む人は、住むうちに慣れてしまい、以前の不便や不快や苦痛を忘れてしまいますが、まだ、経験していない人は、そこを訪れることで、まさにその快適性に驚き、羨望のまなざしに変わります。
そして、そこからが、私たちの「使命」が、始まります。お客様の期待に応えるべく、プランの練り合わせ、担当者と職人、専門業者との連携、そして、完成までの現場管理など、いわゆる、快適空間創作プロジェクトのはじまりになります。「必ず、お客様に心から喜んでもらえる住まいにします」、それは、とてもたいへんなことですが、とても、やりがいのある仕事です。快く見学を了解していただいた T様、W様、ありがとうございました。
by 村上直樹