コラム

2006.7.3

樹のある風景

早朝ウォーキングの気持ち良さは、静かな町並みと爽やかな空気を肌で、感じるところにあります。いつも、歩く道は、小学校の頃、通学に利用した寺町通りです。しかし、この寺町の一部が、路拡張のため取り壊され、お寺と墓地は、移転してしまいます。そして、昔から、私たちを見守っているように立っていた、大きな楡の木も切られてしまうのではないかと、今、とても、心配しています。

先日、訪れた北欧のデンマークやスウェーデンの住宅街は、まるで、森の中にいるような雰囲気でした。そこには、日本のように人工的につくられた日本庭園や箱庭はなく、本物の天然の樹木や自然を 自分達のウッドデッキや室内から見えるように住宅をレイアウトして建てているようでした。

それに比べ、日本の造成した住宅街は、どうでしょう?販売業者が、数を多くして売るため、自然生かすのではなく、自然を取り壊し、できるだけ住宅が建てれるように設計され、住む人の個性を主張した様々な形の家が、コンクリートや石油製品を駆使して、出来上がり、無国籍で、無機質な、バラバラな町並みになってしまっています。

美しい自然を生かし、昔からあるものを壊さず生かし、伝統と文化を残し、後世に喜ばれる美しい町並みにしていくことが、大事ではないでしょうか?秋田には、秋田らしいものが、たくさんあります。
そのこと、そのものを再発見できる町並みにして欲しいと思います。

by 村上直樹