コラム

  • 2006.4.24

    4月「樹の家」見学会終了

    それでは、にかほ市象潟町で、公開し、大好評のうちに終了した「樹の家」の全貌をお見せします。

    象潟1
    天窓から差し込む陽射しが、気持ちよい空間をつくります。

    象潟2
    構造材、仕上げ材、建具、カウンターテーブルなど、すべて、無垢の秋田スギや桐と自然素材を使い、言葉では、言い表せないほど、気持ちの良い空間です

    象潟3
    すべての窓は、枠材からオール樹脂の断熱サッシですので、夏も冬も、外気の温度が、ほとんど伝わりません。トイレの床材は、コルクタイルです。

    象潟5
    床には、段差をなくし、すべてバリアフリーとしています。
    そして、秋田スギの襖を戸袋に収納すると、和室とリビングが、一体になります。

    象潟6
    リビングの天窓から差し込む光は、北側の和室のまで、届きます。

    象潟8
    秋田スギの大黒柱が、この家に大きな安心感を与えてくれます。
    そして、天窓を電動で開閉することで、光だけでなく、風の通り良い室内空間になります。

    象潟10
    天井板、建具、腰壁には、秋田スギを加工した「さざなみ板」が、張られています。その板の美しさが、この部屋を一層、引き立ててくれます。

    象潟12
    この部屋は、寝室です。床材、クローゼット、建具、天井には、桐材が、使用され、壁には、珪藻土が、塗られています。この空間の気持ちの良さは、実際に体感されないとわかりません。

    象潟13
    玄関の靴収納も「桐」、正面の引き違い戸も「桐」です。温もりのある素材をつかうことで、訪れる人にも笑顔が、こぼれます。

    いかがでしたでしょうか?秋田スギと無垢材、自然素材で作る家は、本当に気持ちの良い、健康住宅です。また、インテリアだけでなく、耐震性、断熱性においても、最高の水準で、価格は、リーズナブルにしました。 

    是非、次回もお楽しみにしてください!

    by 村上直樹

  • 2006.4.23

    ロングラン公開を終えて

    今日の秋田は、朝から暖かく、まるで、東京の気候のような日です。
    そして、いよいよ、ロングランで展示公開していた「樹の家」が、今日で終了いたしました。4月の初めから公開してましたが、たくさんの様々なお客様にご来場いただき、心から感謝したいと思います。特に「無垢の木」の良さを感じ取られ、喜んでいただいたお客様を見て、私自身、本当にこの仕事をしていて、この家を公開して、良かったなあと感じています。

    今回は、にかほ市の象潟と秋田市の牛島の両会場で、同時公開ということを初めて行わさせていただきました。そして、期間中、秋田市の会場から象潟の会場に見学に行かれたお客様から、私たちの提案する、無垢材、自然素材、デザイン、コンセプトに感動の声をいただき、本当に心から感謝申し上げます。

    これからも、もっともっと、精進・研鑽し、お客様に喜ばれる良い家作りを目指し、次々と、完成見学会を開催し、お客様の目で、確かめてもらいながら、「進化」してまいりたいと思います。どうぞ、御期待ください。
    ちなみに、来週の土日、4月29日と30日は、「1F全面リフォームの家」の完成見学会を秋田市の濁川で、開催します。ここは、築30年の2×4の家を「秋田スギ」と「桐」で、水周りから、間取から全面リフォームした家です。これもまた、是非、ご覧ください!お待ちしております。

    下の写真は、先週、東京の新宿副都心の高層ビル地下のレストランから見た風景です。東京は、意外と緑が多いことに驚いたりします。
    sinjuku NS bild.

    by 村上直樹

  • 2006.4.22

    「棲む家」をつくる

    東京では、青々と茂った木々の美しさと、春の陽気が、外を歩く人々にも感じ取ることができます。そして、秋田とは、まったく違う、この暖かさを羨ましく思ったりします。ふと、知っている風景を見て、昔、東京に住んでいた頃を思い出すと、月日の移り変わりは、光陰矢のごとし、あっという間だなあ、と感じます。

    秋田スギの家を建てていると、地元秋田という土地のものを活用しているという自覚が、ありますが、すべてを秋田スギで使うということには、なりません。たとえば、ウッドデッキは、雨を空から垂直に強く当たるため、柔らかい秋田スギでは、いくら塗料を塗っても、割れやハガレの現象が出ます。
    そのため、水に強い、材質の硬い強い材料が、最適ということになります。そして、土台や水の影響を受けるところにも、やはり、スギよりもヒバやヒノキを使うほうが、良いと言われます。そして、その木材も国産材のほうが、地球環境を考えた場合には、良いと思われます。
    外国やヨーロッパの建物は、石やレンガを積み上げた家が、多くあります。それは、「地震がない」ということもありますが、「石」が、豊富にあったということでした。しかし、日本は、「木」が、豊富にありましたし、地震も多いということで、昔から「木組みの伝統工法」の家が、多くありました。
    そして、今、その伝統工法の家を継承していくと言った活動が、よく聞くことができます。インターネットの普及とともに 特に地方において、活躍している建築家や工務店が、地元の木を使い、伝統工法で建てる家が、注目されていますが、それも、ブームなのか、ハウスメーカーもそのイメージで、販売してきています。

    住宅設計のセミナーや講義に出席し勉強をしていると、今までの「住宅」というものが、あまりにも「売り手」ばかりを考えた、「商品」となってしまい、住む人のための「棲む家」になっていないことに気づきました。「棲む」とは、木に妻と書き、「木の家に妻と一緒に住む」というような、人間の家族が、仲良く生息する場のことです。

    これから、村上商店は、その「棲む家」をリーズナブルな価格で、安心して、楽しく暮らせるサービスを含めて、新築とリフォームで、提供していきたいと思います。

    by 村上直樹

  • 2006.4.18

    早熟より晩成、刹那より永遠 (再)

    人は、「早熟より晩成」、「刹那より永遠」が、良いと言われます。人も組織も、一つ一つ経験し、失敗し、改善し、また、失敗し、改善していく繰り返しで、成長していきます。
    何も壁にぶつからずに上り続けていると、壁にぶつかった時、あっという間に転げ落ちてしまうのではないでしょうか?

    「晩成」や「永遠」を考えたとき、はじめるのに遅いという時期はありません。良いと思ったことは、時期や年齢に関係なく、すぐ始めるべきであり、悪いと思ったら、すぐ、やめるべきです。
    人は、どうしても自分のためにと考えてしまいますが、しかし、自分のためというのは、自分の生きているときだけ、一瞬です。しかし、自分のためではなく、他人の幸せのために行動することは、すべての人に「永遠」の感動を作ります。

    私は、リフォームであれ、新築であれ、「家作り」ということは、お客様の「幸せ作り」だと思います。そして、その「幸せ作り」とは、「永遠」のものでなくてはならないし、それを追求し、完成させるためには、失敗もしますが、常に最高を目指し、改善し、本当に長い年月を費やし、お客様のため、社員のため、みんなのために代々と引き続けていかなければならないと思います。

    村上商店は、今年で創業90年、その業態は、畳業から内装業、そして、建築一式業に進化しながら、快適な住まいと幸せを提供し続けてきました。

    これからも、お客様の住まいに夢と安心を提供し続けます。

    by 村上直樹

  • 2006.4.17

    お茶の心と商いの心

    昨日は、秋田市の料亭・濱の家の茶室にて、お茶会を開催しました。そのお茶会は、3年前に亡くなった先生を偲ぶ会として、お弟子さんたちが、開催したもので、私もその社中に入っておりましたので、お手伝いに行きました。
    そのお茶の先生が、私の祖父の妹の娘さんであり、親戚でもあったので、20年前に表千家のお稽古を進めていくうちに まじめな生徒ではなかったのですが、とんとんと進めてもらい、お茶名までいただきました。
    ある日「お茶名をなにしたいですか?」と先生に聞かれ、先生の茶名が、「宗林」でしたので、わたしが、林といえば山なので、「宗山が、いいです」と言いましたら、「その名前は、もう決まっています」と言われ、山が、駄目なら、川でもいいやと思い、「宗川(そうせん)」にしてください」と冗談で言ったつもりが、「川は、流れるからいいわね」と言われ、その名前になりました。

    「川は、流れる」から、よどみなく、いつも綺麗であり、くよくよしないこと、川は、山から流れる水を大きな海に流すパイプ役もすること、昔から、川は、生活にはなくてはならないものであったし、様々な風習や行事に使われたことなどから、とても重要なものなんだなあと気付きました。

    昨日のお茶会のために、私は、「おいしい水」を準備して、持参しました。そして、その水で作ったお茶が、「たいへん美味しい」と言われましたので、私が、「水が、いいからだよ」と言いましたら、「私が、美味しい抹茶を二日かけて、こしたからよ」と言う人、あるいは、「お点前する人が、上手に練ったからよ」と言う人などが、いました。
    それは、ひとつの物事を評価する時は、唯一、一人を評価するのではなく、その物事に関わった、すべての人を評価しなければならないこと、つまり、「物事の成功は、すべての人の結晶であること」に気づかなければならいことだと思いました。どんなに美味しいお菓子でも、食べる人が、いなければ評価されないし、売る人、買う人がいなければ、食べられません。
    企画する人、作る人、売る人、買う人、食べる人、そして、その美味しさを伝える人がいて、商売が、成り立ちます。建築業も同じだと思いました。

    後ろの掛け軸は、「無心更無事」と書き、「無心になることは、さらに、無事になること」と言う意味だそうです。「無心」で、頑張りたいと思います。

    by 村上直樹

  • 2006.4.13

    ひとりひとりの力をひとつにして

    4月は、新入社員のための社員研修が、盛んに行われていると思いますが、昨日は、高卒の女子社員のための接客方法をマンツーマンで、練習しました。どこの会社でも、朝礼や研修を行い、仕事の流れや決め事を確認し、その質を高めていますが、それは、水商売でも、銀行でも、ガソリンスタンドでも、どんな会社でも同じです。
    その基本をしっかり守り、行っている会社が、やはり、堅実に大きくなっているのだと思います。

    今日は、いとこの飲食店会社経営者から、「私のグループの店で飲む時は、私に連絡をしてください」と、わざわざ電話でお願いがありました。なぜ、社長自ら、そのようなことをするの?と思いましたら、それは、彼の会社のグループで働く人が、秋田市を本拠として、南は福井県まで全国で600人にもなってしまい、その大人数の気持ちを一つにするためにグループ社員全員による「全国紹介キャンペーンコンテスト」を開催するためだと言うことでした。

    つまり、600人の人が、ひとりひとり、同じ意識を持って行動する、そして、そのトップも自ら、コンテストに参加し、知り合いやお客様に紹介のお願いに廻る、「すごいなあ」と思いました。仕事の基本は、やはり、そこで働く人とお客様に生まれる「人脈」だと思います。大きな人脈、小さな人脈が、あるかどうかわかりませんが、人と人のつながりが、人生であり、仕事であり、とても大事なことだと思います。

    ちょっとした、ひとりひとりの「小さな意識改革」で、とても「大きな目標」に到達できるのだと思います。いくら、大きな、大人数の会社でも、ひとりひとりの向かう方向が、違っていれば、大きなベクトルは、生まれません。
    小さくても、心と気持ちを一つにすることで、大きな力が、生まれます。

    社長自ら、何事も「決めたこと」と「基本」をしっかり守ることが、一番大事なんだなと実感した一日でした。

    by 村上直樹

  • 2006.4.12

    腰を痛めて、感じること

    今日は、上着が、いらないほど、とても暖かく、気持ちの良い一日でした。しかし、ここ数日、腰が、痛くて、座っていても立っていても疲れます。病気やけがをすると、やはり、当たり前のようにしていた健康時のことが、とても、幸せなことだったと感じます。

    腰を痛めてから、腰は、体全体を守るとても重要な部分だと感じました。腰の負担を少なくするために他の部分の筋肉を使ったり、動作をしたりしなければなりませんし、動きが、ぎこちなくなり、また、「痛い」という気持ちが、精神的に不安にさせます。しかし、この痛さが、体の悪い部分を知らせる役目をしている訳ですから、それ以上悪くならないように気をつけて、工夫することが、できます。
    「痛い」ということを「警告」だと認識することで、人間や動物は、生きていきます。もし、その痛さを感じなければ、命を落とすことにもなりかねません。この「痛い」ことは、人生の中の仕事に例えれば、「辛いこと」であり、「嫌なこと」、「したくないこと」なのかもしれません。しかし、この「痛さ」に立ち向かい、それを克服するために前向きに対処していくことが、自らの欠点(病気)を直すことであり、健康になることだと思います。
    もし、毎日、好きな食べ物だけたべ、飲みたい放題、運動もせず、不規則に生活していると、病気になり、サイレントキラーで、ポックリいくこともあります。
    病気にならないように 怪我をしないように 毎日、気を使い、予防していくことは、体だけではなく、仕事に対しても、同じように行動していかなければ、ならないと感じました。

    by 村上直樹

  • 2006.4.10

    無垢材の復元力

    無垢のスギは、自然の温もりがあるのですが、柔らかいので、キズが付きやすいと言われます。しかし、少しぐらいの「へこみ」なら、お湯や水蒸気を使い、木自体に水分を含ませ、膨らまして復元することができます。
    今日は、現在展示中の牛島の家の廊下に「へこみ」を発見しましたので、私が飲んでいた、イタリアのペルージャ地方で湧き出た水「ロケッタ」をティシュペーパーに含ませ、10分程度置きましたら、なんと!ほとんどキズが、見えなくなりました。
    実験1←「写真の真ん中にキズの部分が見えます」 
    実験2←「水を含んだティシュを置きます」
    実験3
    ↑「なんと、キズが、完璧ではありませんが、ほとんど見えなくなりました、マジックではありません」
    そして、もし、大きな傷がついたとしても、無垢材なら、同じ種類の木を埋めることで、補修がききますし、節目なら、抜けたりするのが当たり前で、それが、本物の木の良さでもあります。
    子供たちには、「キズ」が付くことを恐れずに、本当にこの本物を楽しんでもらいたいと思います。

    by 村上直樹

  • 家造り・夢作り・幸せづくり

    今日で、4月上旬も終わり、いよいよ、本格的に学校も会社も新しい学期や年度をスタートさせることになります。いつも、秋田という地域で、秋田に住む人のために喜んでもらえる仕事、幸せになってもらえる仕事を住まいづくりの中で、達成していきたいと考えていますが、様々な問題、障害にも出会ったりします。しかし、それを解決することが、本当の仕事ですので、「難題いらっしゃーい!」の気持ちで、頑張っていきたいと思います。

    さて、牛島と象潟で、現在、2会場で、同時完成見学会を開催していますが、この二つの建物は、それぞれ「造り」が、違います。牛島の建物は、「若い夫婦のための・・・」のテーマのとおり、「価格帯をリーズナブル」なものにしました。そのため、すべて無垢材で仕上げている訳ではなく、床材に「秋田スギ・桐・コルク」などですが、それ以外の建具や枠材は、新建材を使用しています。

    しかし、もうひとつの会場「象潟」の家は、「秋田杉・桐・コルク・珪藻土」を床だけでなく、腰壁、天井、建具、枠材、カウンターなど、すべてに無垢材や自然素材使用し、仕上げています。また、床下は、基礎断熱とし、竹炭を敷きこんで、防虫・消臭・調湿を保っています。ですから、牛島会場から、象潟会場に行かれた方は、その大きな違いに驚き「気持ちいい、ニオイも、ちがう!」と五感で、感じられて行かれます。

    二つの違いを感じていただくのが、一番ですが、牛島会場の家でも十分にその無垢材の良さ、気持ち良さを感じることができますし、住む人の年齢、家族構成、暮らし方を考えてデザインしますので、どちらもその良さを発揮していると思います。
    そして、最後には、お客様ご自身が、その良さを感じ、発見し決められるものだと思います。私たちが、いつも考えていることは、村上商店の「家造り」とお客様の「夢作り」が、合体して、本当の「幸せづくり」が、出来るのだと思います。

    是非、これからも、今月23日まで、たくさんの人に何回も体感していただきたいと思います。

    by 村上直樹

  • 2006.4.9

    終点のない目標をクリアしていく

    今日は、朝から曇りで寒かったのですが、日中は、天気も晴れて、だいぶ暖かくなりました。現在、公開中の秋田スギの無垢の床材の家では、その自然な温もりを足の裏に感じますので、とても快適です。

    昨日は、茶道のお稽古場に行ってきました。私は、表千家ですが、最近、ほとんど、稽古に顔を出していないので、お点前は、すっかり忘れてしまいました。しかし、背筋を伸ばし、お点前をすると、風炉釜の中のお湯に柄杓で水を差した時、煮えたぎる音が消えるという一瞬の静けさは、茶室という空間に凛とした空気を漂わせます。
    茶道のお茶には、「薄茶」と「濃茶」があります。薄茶は、誰でも飲みやすいお茶ですが、濃い茶は、ドロドロしたお茶で、飲み方も「ふくさ」という織物のハンカチのようなものを使い、その上にお茶碗を乗せて、一つの茶碗のお茶を5人程度で、回し飲みします。ですから、作法もむずかしく、飲みにくいのですが、高貴なお茶席として催されます。
    お茶席には、「掛け物」「お花」「お茶碗」「お棗」「お茶杓」「お菓子」などなどありますが、それぞれを その時お招きするお客様に説明できるようにしておかなければなりません。また、トータルコーディネートといいますか、お茶席にある、お道具すべてが、つながりがあり、その季節、その席のコンセプトを説明できるようになっています。

    そして、何気なく置いている花器やお花、掛け軸に対し、招かれた客もその亭主の気持ちを察して、褒めあう会話を交わすところに面白さがあります。しかし、そのためには、相当の知識と経験、勉強が必要ですので、お茶のお稽古には、終点がないのかもしれません。
    というより、どんな仕事、勉強、研究にも終点がなく、目標をひとつひとつ確実にクリアしていくことが、大事だと思います。

    by 村上直樹